「…あのー」

「…!はい!?」

びっくり…した
今まで見たことないほどに美しい男性に目が奪われて、話しかけられることに意識してしまう

「帰り道にお困りなら、電話がありますので、お貸ししましょうか」

電話…電話!
たしかにわたしは帰り方がわからずに困ってたけど、なんでそんなことがこの人はわかるんだろうか

怪訝な目を向けていると

「…ああ、僕は怪しいものではありません
…怪しいものは退治していますが
ただ、善意の気持ちで貴女を助けただけです」

「はぁ…いや、警察とかには言ったりするつもりはないです、倒れたのはこっちだし、お礼を言わなきゃいけないのもこっちですね…」

どうやら良い人ではあるみたいだ
…怪しいものを退治?なんだそりゃ
まあ良いか…聞き間違いに違いない…

「古くて…電話線が伸びないのです、この部屋の外にすぐ電話がありますので親御さんに連絡なさってください」