加奈はきょとんとしている。

今のは本当に苦しかった。


『ゲホッ……加奈…ケホ……やだなぁ、も……冗談きつ……ゲホ…』

「ごめん、ごめんねっ…大丈夫?まじごめん」

『大丈夫だよ…ケホ…もう大丈夫!…ケホっ』

「ほんとーですか?」


本気で心配している加奈の優しい目。

大好き…


『ほんとーです!』


とびきりの笑顔で答えた私。

しかしまた咳が込み上げてくる。

加奈を心配させまいと、必死に堪えた。


『……っゲホッ…ゲホッ』


…しまった