――時には、等身大の物語を。 日々の雑踏の中で、いつの間にか忘れてしまった、青い春。それを思い出させてくれたのは、あなたでした。 ◇◆◇◆ カチ、カチ、カチ、カチ… 時計の針の音だけが聞こえる、午前2時。 そこには、何もない。 ――青ざめた少女の顔と、乱雑に散らかった物以外は。