亡者どもが。

斬り散らされた屍どもが。

菊花の高速詠唱によって一所へと集まり始める。

その亡者達は、互いに互いを食み、食らい、咀嚼する。

死体が死体を食いちぎる。

凄惨極まりない光景。

「こ…これは…」

洋館の中から出てきた蘭花が、その恐ろしい光景に青ざめた。

「あら蘭花…いい所に出てきたのね」

菊花が寒気のするような微笑を浮かべた。

「これからショーが始まるところよ。私の最大の秘術を駆使した、殺戮劇がね…」

やがて相食みあう屍達は、一つの巨大な肉塊となり、不気味に胎動する。

湿った肉の生々しい音。

その音に合わせ、まるで心臓の鼓動のように膨張と収縮を繰り返す。

そしてそれがおさまる頃…。