「今なんでって思ってるだろ?」

いや、そりゃ〜もうめちゃめちゃ思ってるけど…そう思いつつコクンと頷く。

「ま、そーだわな。

さっきチーム伝達で、海翔から関西にいる奴は3分でここに来いって現在地が送られてきたんだよ。それも"車限定"」

え、伝達って…

「んで俺がたまたま関西に用事があったから本当近くに居たんだよ。んで海翔に電話掛けたら(紅杏を学校に送ってきてやってくれ)だとよ。」

ほんとシスコンなお兄様だな〜なんて言いながら笑う魁。



"チーム伝達"



それはチーム内などで何かあったり新しいメンバーが加入された時、それから緊急な時にしか使ってはいけない、世にいうチェンメ。


それを海兄はこんな事のために使って、少しでも早く学校に行けるようにしてくれていたらしくて…

「海兄…」

「まぁよ?愛しの妹のためなら何だってするんだよウチの総長と副総長は」

ここまでしてくれるなんて…大事にされてるんだなぁと改めて思う。

「魁もありがとね」

「おうよ!」

そう話していたあいだに学校の校門に到着。

「じゃあま、頑張れよ?あ、それとついたら先に理事長室に来いよだって」

「うん?誰が?」

来いよって…なんでそんなの魁が知ってんの?

「まぁ行ってからのお楽しみ?」そう言ってイタズラそうに笑った魁は「じゃあな」と言って帰っていった。


「分からないやつ」

そう呟いて私は振り返る。