先生が紙に縦線6本と、横線を何本も書き足してあみだくじを作っていく。
それぞれのチームが自分の決められた数字を縦線の先に書き、先生があみだくじを指でなぞっていく。
「はい。決まりました。まず1班は……ーー」
私は話を右耳から左耳へ受け流しながら、窓の外を自由に飛び回る小鳥たちを眺めて(正確にはぼーっとして)いた。
「最後、6班は望月さんのとこと瀬戸さんのところね」
「えっ…」
思わず私は声を上げてしまった。
幸い、周りには聞こえていなかったようだけど。
彼とはクラスが3年間同じで班まで同じだなんて、面白い偶然があるんだなぁと1人感心していた。
「じゃあこのまま班ごとに席も決めます。」
先生に渡されたくじを引いて、番号の席へ一斉に移動する。
同じ班なので愛と一緒に動く。
隣は誰かな。少しそわそわしていると、隣に現れたのは瀬戸瑞貴だった。
「え!?」
今度はさっきよりも大きな声が出てしまった。
当の本人は「ん?なんだ望月か。また一緒だな」と苦笑している。
クラスにどよめきが広がる。
これは少し困ったことになったかもしれない。
以前にも似たようなことがあった。
何回か連続で同じ班になった人がいたんだけど、その人のことが好きだと勘違いされて大変だった。
同じことにならないといいけど…。
