ー4月ー


桜咲く春の日。
渡されたクラス表をまじまじと眺めて、自分の名前を確認する。


『3年A組 望月結花』(もちづきゆいか)


自分の名前を見つけると同時に、意外な人物の名前が目に飛び込んできた。


『3年A組 瀬戸瑞貴』(せとみずき)


彼とは1年も2年もクラスが同じで、流石に今年は違うクラスになるだろうと見越していたから。


同じクラスの中には親友の 綾瀬愛(あやせまな)もいた。
とはいえ、あまり見慣れない名前が多く、上手くやって行けるか不安だった。




教室に入ると見慣れた顔がチラホラ。
席につくなり話しかけてきたのは愛だった。


「結花!同じクラスだね!小1以来じゃない?」

「確かにそうかもね。」


愛は少し抜けてるところがあるけど、芯はしっかりしている。
昔から仲が良く一緒にいることが多い分、なかなか同じクラスにはならなかった。


全体的にクラスの人達は賑やかでとても居心地が良かった。
このクラスなら1年間楽しく過ごせると確信をもてた。


「良かった〜。変なクラスじゃなくて。」


愛が安堵のため息をつく。
1年のクラスがあまり良くなかったせいか、とても安心していた。