君のように羽ばたける日々を

── ガラガラ

担任が教室に入ってきた。

「皆、席についてくれ」

担任の指示で、クラスメイトが自分の席に

戻っていく。

「俺は戻らなくていいから楽だな」

そう言って、俺の席の前に座った。

翔の名字は佐伯だから、俺の席の前だ。

「今日は、前から紹介してたと思うが、

このクラスに新たな仲間が加わる。

さぁ、中に入ってきてくれ」

そう、担任がドアに向かって声をかけた。

「悠真、よく見てろよ。」

翔が緊張気味に俺に囁いた。

「分かったよ。見とく」

曖昧な返事をして、転校生が入ってくるのを

待った。