「いいな、お前」

翔が、俺の方を見て言う。

「ぐ、偶然だよ。翔も一緒に案内しよう」

そう返すしかなかった。翔は笑っている様に

していたけど、目は全く笑ってなかった。

「武内の席についてだが、このクラスは

まだ名前の順だ。だから武内は、4列目の一番

後ろの席に座ってくれ」

そう先生が俺の隣を指差す。嘘だろ。俺の隣

って…。翔の方を見なくても、怒っているの

が背中越しに伝わってくる。

そりゃそうだよな…。自分が気になってる人

だし、無理もない。