あなたは私のすべてを変えた太陽

朝、学校につくと教室がいつも以上に騒がしかった。

「見たー!?」
「見た見た!めっちゃイケメン!!」

うるさいと思いながら教室のドアを開ける。

「希咲ちゃん!おはよう!」
「片谷!はよっす!」

全員が私の方を見た。

毎日のことで私も最近は慣れてきた。

「おはよう、どうしたの?」

近くにいたミカに聞く。

「転校生がめっちゃイケメンだったんよ!」

へぇー。

どうでもいいことを騒いでたのね。

「ふーん…。…?」

軽く流して席に座ろうとしたら、一人席だった私の机の横にもう1つ机が並んでいる。

どういうこと?

「ミカ、これ何?」

「転校生の席じゃね?いいなぁー!希咲!ってかここの席美男美女じゃん!!」

ミカが大声で叫んで私は頭が痛くなった。

それと同時に、教室にいる生徒の目が一斉にこちらに向いた。

「確かに…。」
「片谷、めっちゃ可愛いもんな。」
「あのイケメン君と…」

疲れる…。

そんな騒がしいクラスに担任が入ってきた。

「みんなおはよう!席についてー!」

先生の声で全員が自分の席へと戻る。

「お待ちかねの転校生紹介だよ!入って!」

合図とともに教室のドアから人が入ってきた。

顔は一言で例えれば、元気系。
あとは犬系とか…?

そんな感じの明るい雰囲気のある人だった。

私には眩しい太陽のようにも見えた。

「自己紹介してー」

ハイと小さく聞こえた返事のあとに明るい声で話し始めた。

「雨神怜って言います!隣町から来ました!
まだここの生活に慣れてないんでよろしく!
部活は陸上部希望!短距離頑張りまっす!」

そう言って転校生もとい雨神怜はニカッと笑った。

随分元気いいな。

「よろしい!席はあの廊下側の1番後ね。空いてる席あるからそこ。」

「はい!あざっす!」

足元においてあったカバンを持ってこちらへ向かってくる。

私は仮面をかぶった笑顔で言った。

「私、片谷希咲。よろしくね雨神君」

「おう!よろしく希咲!」

初めての相手に名前呼びって…

私は気にしないからイイけど。