「ねえ、ちょっと変なところ触らないでよ」


「えー? だって、梓の体、柔らかいんだもーん。触り心地最高」
「それより、もっと膝しっかり支えて」
「あーはいはい。それを言うなら梓ちゃん、もうちょっと、太ももを俺の首から離してくんない? 絞められるのもたまらないけど、こっちも正気でいられないんだけど」
「正気でいられないほど絞めてあげようか? あと、もっと腰下ろして。安定しない」
「……なんか、会話、卑猥じゃね?」
「あんたの脳内がそうなってるだけでしょ」
「ははっ。んじゃ、せーので、頭抜くぞー」
「せーの」
 
ミケの頭が私の太ももの間を通った瞬間、ドアの開く音がきこえた。
 
その音に一息つき、私はミケの太ももに乗せた自分の足を地面へと。
そして、ふと、視界に入ったのは、ドアに書かれた文字。








『サボテンをしないと出られない部屋』