「なんで、こんな恥ずかしいこと……」
 

「いいからいいから。ほら梓、早く咥えて」
「……」
 
楽しそうに笑うミケに、私はため息をつく。そして、ミケの言う通り、差し出された茶色い棒を口に咥える。
 
「んじゃ、俺も」
 
そう言って、ミケは私が咥えている棒の先を咥える。

次の瞬間、私は意図的に口を下へと向けると、棒はポキッと簡単に折れた。


そして、『ポッキーゲームをしないと出られない部屋』と書かれた扉が開く音がした。
 
「えーっ! もう折る?」
「続けてもしょうがないでしょ。早く次に行こう」
「ちぇ」
 


少し残念そうにそっぽを向くミケに、私は首を傾げながらも扉を開けた。