蓮兄と昴は双子の兄弟。
そしてあたしは、そんな二人の血の繋がらない妹。
あたし達三人が初めて出会ったのは、あたしがまだ小学六年生の時だった。
ママとパパはあたしが五歳の時に離婚した。
そしてその後蓮兄と昴のお父さんと出会い結婚に至って。
あたし達は兄妹になった。
蓮兄と昴の母親は随分昔に亡くなっている。
新しい家族が増えて、これから幸せな生活が始まるかに見えた。
でも、ママはある日家を出て行った。
あたしを残して。
そしてその後、蓮兄達の父親までもが新しくできた恋人の元へ行く為にあたし達を置いて家を出て行ったのだ。
つまり、あたし達は二人の重荷でしかなかった
今だに音信不通の母親と
大金の仕送りだけは欠かさない父親
あたし達は犠牲者だ。
自分達の事しか考えられない、非情な大人達の犠牲者。
あたし達は、哀しみを拭い合う様に生きている。

