あたしはリモコンを掴んでチャンネルを変えようとした。
「貸して」
蓮兄が急に手を伸ばして、あたしの手を覆う。
「…っ、」
思わず手を離してしまった。
―ガシャンッ
大きな音をたててリモコンが床に転がった。
触れられた手が熱い。
「ちょっと、お前ら何してんの」
昴が呆れ顔で後ろに立っていた。
「だって百合が急に手離すから」
蓮兄がクスクス笑いながらあたしを見た。
―その笑顔に、あたしは囚われる。
どうしようもない感情に身体が支配されてしまう。
あたしは、蓮兄が好きだ。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…