あたしはリモコンを掴んでチャンネルを変えようとした。

「貸して」

蓮兄が急に手を伸ばして、あたしの手を覆う。

「…っ、」

思わず手を離してしまった。


―ガシャンッ


大きな音をたててリモコンが床に転がった。


触れられた手が熱い。



「ちょっと、お前ら何してんの」

昴が呆れ顔で後ろに立っていた。

「だって百合が急に手離すから」


蓮兄がクスクス笑いながらあたしを見た。





―その笑顔に、あたしは囚われる。


どうしようもない感情に身体が支配されてしまう。






あたしは、蓮兄が好きだ。