******************


何かが変わった。


沈んでしまいそうな夜も
もがくばかりの夢の中も

…軽やかな彼の足音も


前と何の変化も無い、何気ない日常なのに。


あの日以来、あたしの中で何かが変わった。




“葵さん”という存在が、

確かなものになってから。





目を閉じて
耳を澄まして

ほんの少しのあなたの気配さえ
感じ取ろうとしていた日々


消したくて
でも消えなくて







いつから









あたしはこんなに弱くなったの?











ねえ

ねえ、蓮






あなたから見て

あたしはちゃんと光ってる?



どんなに弱々しくても
どんなにいびつな形でも


あたしという存在が



ちゃんと見えていますか?