「・・そうかも。きっと」
母親に置いていかれたあの日。
一晩中側にいてくれた、蓮と昴。
ずっと一緒だとあたしに誓ってくれた彼等の笑顔を、あたしは今でも覚えている。
-蓮と昴がいなければ、あたしは生きてなんて行けないんだ。
「・・昴と蓮は、キラキラ輝く月」
「あたしは、その側にいる星」
「だから、」
他に何も望まないから。
あなたが好きだなんて言わないから。
「・・ずっと側にいてよ・・」
静寂の夜空にあたしの弱々しい声が響いた、
少し肌寒い8月31日。
忘れられない、夏の終わり
・・あたしは、この恋を手放した。

