散る葉に降る雨

その言葉に警察官は血相を変え、消防署の
人に駆け寄る。

思わず笑いそうになった。


「さようなら。」

葉透は小さく呟いた。




優雨に、本宮に、小さく告げた。

そしてそのまま、人混みの中に消えて
いった。








空から雨が降ってくる、優しい雨だ。

また微かに残っている木の葉がひらりと
散り、その上に雨が降り注いだ。


いつまでもいつまでも降っていた。