5分程経ち、やっと葉透は声が出た。

「はい、そうですが。」

かすれた声だった。

喉に突っかかった声は中々出ず、
怖いぐらいに葉透を不安にさせる。



「たった今、上村さんが亡くなられました。
ご遺体の確認をお願いしたいのですが。」



それなりの覚悟はしていた。