とうとう扉が開いた。

冷気が一気に溢れだしてくる。

ドスンと鈍い音がして、粉の入っている
袋が落ちた。




小麦粉だ、これは小麦粉だ。

何度も自分に言い聞かせた


固く閉じた袋の結び目がほどけ、中の粉が
こぼれる。




優雨は全て知っていたんだと気付いた。




葉透は泣いた。

ざいあくが胸を締め付け、とめどめなく
涙が溢れた。