家に着くと、部屋の灯りがぼんやりと光り
それがまた、葉透の心を浄化させる。


「ただいま」


そう言って玄関を入ると、いつも聞こえる
はずの「おかえり」が聞こえない。



リビングの扉を開けても誰もいない。


だけど、食卓には出来たてのごはんに、
まだ作り途中だと思われるなべなどが
置いたままになっている。



葉透の頭に、嫌な予感が浮かび上がり、
最悪な想像をしてしまう。