だから葉透は、彼女の交友関係をほとんど
知らなかった。

もちろん、誰かに恨まれているかどうか
なんて分からない。

だけど、信じたいのだ、みんなに愛されて
いたと。



「……信じたいからです。」



長らくの沈黙の後、葉透が消え入りそうな程
小さな声で、静かに答えた。


本宮はその回答に思わず顔を曇らせた。

やはり遺族の“絶対”は信じてはいけないのだ。