「普段、キッチンに入られることはありますか?」


「ありません。恥ずかしながら、家事は
全て妻にやってもらっていたので。」


「では、誰かに恨まれていたとかそういった
心当たりなどはありますか?」


「いえ。人当たりも良かったので恨まれて
いるようなことは絶対にありえません。
違います。」




本宮は、目の前の葉透を見つめた。

遺族の”絶対”という言葉は信じては
いけない。