蓮と二人きりになり、気まずい空気が漂うリビング。

長い沈黙を破ったのは私。


「き、今日はほんとにありがとう・・・」


あの時助けてくれてなかったら・・・、そう思うと体が震える。


「お前、この仕事やめたら?男と2人と同居なんか向いてねぇよ。」


そう言うと蓮は部屋へから出ていった。

分かってる・・・。
分かってるよ、向いてないなんて。
それでもこの仕事は条件がいいし、何より私にはお金が必要だから。
だから、辞めるわけにはいかないの。



ピロンピロン

私の携帯に電話がかかってきた。

画面を見ると[父]と示されている。
私はそれを確認し、静かに携帯の電源を切った。