iNG 現在進行形の恋【濃縮版】

「勝手に辞めさせた事、怒らないのか?」

黙り続けている私に仁が言った。

「……貴方の決めたことに私に拒否権は無いんじゃないですか?」

私はやっぱり見れなくて、未だに鞄を見つめている。

「分かってるな」

私の返答に仁はクスッと笑いを溢す。


半年振りの仁の体温、香り、声。

鼓動は必然と速さを増す。

私の全神経が貴方に反応してる……。


「莉緒の家って何処?話がしたいから連れてって」

「……嫌」

そう言うと仁は突然腰から手を離すと、今度は私の手を握った。
手に移った温もりのせいで、咄嗟に私は仁を見てしまった。

目の前には不敵に笑う仁。

「莉緒に拒否権は無いよ」

私はまた仁から逃げるように視線を外す。

とりあえずまだ此所は店内だ。
お店で騒ぐのは迷惑が掛かるし、止めよう……。