「私はこれ以上は入りませんから」

お昼をわざわざ私のために届けてくれた荻野さんは男の人に襲われた私に気を遣ってか、玄関にも入らずにお弁当の袋を渡してくれた。

「すいません……」

私は謝りながらその袋を受け取る。

「ではしっかりと休んで下さいね」

「ありがとうございます……」

わざわざ御飯持ってきて貰ったけれど、朝の残りもあるし、食べる気力もない……。

ダイニングテーブルの上にお弁当を置くと、さっきいた部屋の隅に戻って再び座り込む。

私は少しの時間、ダイニングの隅でそのままぼぉーっとしていた。