iNG 現在進行形の恋【濃縮版】

「それに俺には婚約者がいる。お前に手を出すことはないから」


仁は私を安心させようとして出した言葉だが、私は安心するどころか、どんどん心は落ち込んでいく。

さっき私を抱き締めてくれたのは私を好きなんかじゃなくて、ただ襲われた親友の彼女の私が可哀想だって思っただけなんだ。

そう思うと目頭が熱くなるが、私は必死に涙を堪える。


「俺の家に来い」


駄目……

こんな弱りきった私は仁に何を言い出すかわからない……。

今、頼ったら絶対駄目……。


私は自分を必死に叱咤する。


「無理です。私はアパートに帰ります――」
「ってもう鈴宮さんの引っ越し準備、終わってますけどね」


え。


仁じゃない違う声が聞こえて、顔を向けるとそこには荻野さん。