iNG 現在進行形の恋【濃縮版】

二階は女子で、一階は男子らしい。
一応気を遣ってくれているようだ。
そしてその全てが今回の引抜きの社員らしい。

私は事前に用意しておいた挨拶回りに渡すお菓子が入っている袋を持って立ち上がり、同じ二階から回ることにした。

知らない人ばかりだから緊張するな。
お菓子の袋を持っている手が少し汗ばんできた。

緊張しながらインターホンを押したが、隣の部屋は不在のようだ。
明日引っ越してくるのかもしれない。


「初めまして、鈴宮莉緒です。今から荷物の搬入があるので煩かったらすいません」

そのお隣さんは居た。

「お気になさらず」

出てきた女性は眼鏡を掛けていて物凄く真面目そう。

「来週から宜しくお願いいたします。これ良かったらどうぞ」