「小さい頃、母親が祖父さんに俺を産んだんだからもう充分だろって怒鳴り散らしているのを偶然聞いたんだ。学校行事には二人で来たけど家でも両親の間には壁があるみたいに会話はないし、大きくなるにつれ自分の両親は好きで結婚したんじゃないんだって気付いたんだ。莉緒とは違ってお金には困ったことなかったけど、家族で仲良く旅行に行ったり、家族団欒って経験したことないから」
昔を話す仁の横顔は寂しそう。
荻野さんと仁のお母さんが引き離されたのは知っていたが、家の中の状態がそんな冷め切ったものだとは知らなかった。
「ご、ごめん……」
私は思わず俯いた。
「気にするなよ?莉緒に家族の話をしたのは初めてだからな。こんな風に家族皆で映画を観たこともないよ」
あんな大豪邸に住んでてお金があるのに、なんか寂しいな……。
「だからかな……憧れてたんだよ。家族で楽しく過ごす生活」
「何か…そういうの、分かるな……」
私もずっと憧れてた。
普通にお父さんが居て、普通にお母さんが居て、相思相愛の両親と暮らす生活に。
昔を話す仁の横顔は寂しそう。
荻野さんと仁のお母さんが引き離されたのは知っていたが、家の中の状態がそんな冷め切ったものだとは知らなかった。
「ご、ごめん……」
私は思わず俯いた。
「気にするなよ?莉緒に家族の話をしたのは初めてだからな。こんな風に家族皆で映画を観たこともないよ」
あんな大豪邸に住んでてお金があるのに、なんか寂しいな……。
「だからかな……憧れてたんだよ。家族で楽しく過ごす生活」
「何か…そういうの、分かるな……」
私もずっと憧れてた。
普通にお父さんが居て、普通にお母さんが居て、相思相愛の両親と暮らす生活に。



