iNG 現在進行形の恋【濃縮版】

「莉緒、こっち向いて?」

こうなったのも坂本君から逃げることばかり考えていた曖昧な私のせいだ。

ちゃんとハッキリと伝えよう。

私は神島仁へと勢いよく振り返る。

「母はブランド品と煙草をこよなく愛している人。父はそんな母に愛想を尽かして私が小さい頃に家を出た。私は高校の時、家計のためにとアルバイトをして毎月三万以上渡して更に奨学金を貰っていたのにも関わらず、授業料を三ヶ月滞納していることを卒業式前日に担任から聞かされ、そんな浪費癖のある母親のせいで高校の卒業式も出れず、勿論受かってた大学にも行けず、看護婦になる夢も諦めました。それでも母はブランド品ばかり買い漁る。娘が大学へ行くよりブランド品の方が良かったみたいです。そんな中で育った高卒の私は貴方とは釣り合わないんですって」

私は捲し立てるように自分の過去の話をした。

私が坂本君に告白しようとした卒業式に行けなかったのは母のせい。
私は母のせいで恋と夢を失った。

あまりにも衝撃的な話だったのだろうか、目を見開きっぱなしで固まったまま聞いていた神島仁。

そうだろうね、貴方はお金に困った事が無いもんね。
親にお金を渡すなんて衝撃的だろうね。


「わかりました?今度実家に連れてく女性はちゃんと経歴を調べてからそれ相応の方を連れていって下さいね。大企業の御嬢様とお幸せに」