iNG 現在進行形の恋【濃縮版】

「鈴宮とちゃんと話がしたい」

坂本君は真っ直ぐ私を見ている。

私は彼の瞳を見れなくて勢いよく逸らす。

するとドアノブを握る自分の手が震えてるのが見えて、私はその震えを隠すように強く握りしめた。


「話は昨日したよ。だから帰っ――きゃっ！」


言い切る前に坂本君が突然私の肩を掴み、玄関の扉を勝手に開けると私を強引に中に押し込んだ。

「顔見て話したいから電気付けさせて」

玄関の扉が閉まると坂本君は勝手に電気をつけた。

唯一暗闇が助けてくれたのに、今はもう助けてくれるものは無い。

「俺は簡単に鈴宮を諦められない」

「坂本君には叶内さんが居るでしょ！？」

逃げると想いを認めたことになる。
私は坂本君の目を見ながら必死に拒絶する。