iNG 現在進行形の恋【濃縮版】

「おやすみなさい……」

私の言葉を聞くと私の肩から手を名残惜しそうにスルリと下ろし、神島仁は車に乗り込んだ。

車が走り去ると、私は首を横に振る。


この胸のドキドキは恋なんかじゃない。

あんな事されたら、誰だってドキドキするに決まってる。

あとはお酒のせいだ。

お酒で血行が良くなりすぎているせい。

家に帰ってお風呂に入ってスッキリしよう。


アパートの階段を上がり、鍵を開けてドアノブを掴んだその時、


「鈴宮」


その声に反応して振り向く。
捉えたその姿に私は驚きのあまり目を見開いたまま固まる。

坂本君が居たから。