iNG 現在進行形の恋【濃縮版】

「これ、何?」

「坂本君のです。借りていたので彼に返してもらえますか?」

何とか顔を上げるが、未だに彼女の顔を真っ直ぐに見られない。

叶内さんは私の手から無言でハンカチを受け取った。


「赤ちゃん、おめでとうございます」

私は震えを抑えながら笑顔を必死に作って精一杯の言葉を掛けた。

だって赤ちゃんは何も悪くない。

悪いのは私の坂本君への想い……。


「ありがとう」

視界の中に満面の笑みを浮かべた叶内さんが映った。

彼女の声は弾んでいた。