「立本ー!」

ー ドンッ ー

「わあっ!!」

声が聞こえたと思ったら、背中を急に押された。
こんなことする奴、アイツしかいない!

振り向くと、やっぱりアイツが笑っていた。

「もうっ。いっつも、いっつも、、、
 やめてよね?高井っ」

高井 友也。
クラスのムードメーカーでサッカー部の副キャプ。

「いいじゃん?俺ら、親友だろ」

親友、、。

いつも何かとちょっかいをかけてくるコイツは、
無邪気な顔であたしを「親友」という。

「親友だからって、なんでもしていいとでも思ってんの?」

「いいでしょ」

「、、、っ」

高井はこんな時でさえ、なんて明るく笑うんだろう。

「よっ、、良くない!!」

赤くなった顔を隠しながら言うと、

「えー。意地悪かよー」

なんて言いながら笑いかけてくる。

「ゆーやー!今からグラウンドでサッカーするけど、
 来ねえ??」

「おー!!行く行くー」

サッカー部の男子からの声に反応して、高井があたしに背を向ける。

「じゃっ、また後でな、立本」

「ハイハイ。早く行けばあ?」

「ああ。アイツらに、俺のスーパーシュートを見せつけてやるんだ!!」

そう言って、廊下に走っていった。

、、、。

「はあーーーー、、」

「おっと。朋莉がでえっかいため息ついてる」

「亜紀、、ちょっとそっとしといて」

小学校からの友達で、あたしの一番の理解者、
広田 亜紀。