海岸通り 〜文治と由以香

「 さぁ〜? 知らねぇ…」


みんな首ふる




「ぁ、三年の女子だ、応援団で一緒だった」



「ぁ、あのイケイケの?」



「は〜? なんちゅう化粧してんだ?

キャバクラご出勤じゃねぇか?」



「あいつらこそ補導しろ」




「 文治ぃ〜♪ 勇ぃ〜♪」



ゲッ!

なに、このイージーな馴れ馴れしさ




「部活、大変ねぇ〜♪」




大変で疲れてるから声かけんな

化粧が重ったるい

雀の尾っぽみてぇな付け睫毛しやがって




「今度、一緒にビーチパーティーしよう?♪」




「いかんいかん、俺ら、部活引退するまで

ずっと謹慎中、監視付き」




「あはは、見つかんなきゃいいや〜ん♪」



「これ以上見つかるとマジ、やばい」



「文治? こいつが、佐々木がおまえ紹介してくれって」



ひとりの女子指差す中川



「体育祭でおまえに目ぇつけたらしい↑」



「その前から知ってたけどね、体育祭で、性格合うかなぁ〜って♪」




とんでもねぇヤツに目ぇつけられたもんだ


そりゃ、俺はガラ悪いしヤンキーかもしれんけど

チャラチャラケバいのは趣味じゃねぇ