海岸通り 〜文治と由以香

チャイムが鳴る、教室戻る

顔、上げられない、文治を見れない


うつむいて席つく


教科書開く手まで震え出す


恐い…

文治のあの目…

文治のあの目は今でも由以香のトラウマ…








「こらっ、先輩達となに話してた?」



すぐ後ろから聞こえた文治の声…




「 … 」



ゆっくりふりむく…



にっこり笑う文治の目、優しい目…




「 …? 」




「今の時間だけ、代わって貰った」




どうして文治がそこにいるのか

首かしげる由以香に説明する文治



いつもの文治の席には、由以香の後ろの子


手をふってウインクしてる…




「もう… びっくりさせないで?」


力の抜けた由以香の安堵の声、ため息まじり…




「なにそんなびっくりしてるん?」




「だって、突然後ろから文治の声がするんだもん…」



「あはは、今度席替えん時は絶対由以香の後ろになるからな↑

毎日後ろから声かけて、びっくりさせてやる↑」




「毎日後ろならびっくりすることないもん」




「あはは、 なぁ、先輩達となに話してた?」



由以香の髪引っ張る文治