海岸通り 〜文治と由以香





二学期 始業式


ん?


靴箱に無造作に放り込まれたメモ…



〔 男作るなんざ、似合わねぇんだよ 〕




は? なん? これ…

誰?

思わず握り潰す、顔上げる、周囲見る…




「 おっは〜 」 「 おっはよ」


あちこちから聞こえる声
いつもと変わらない朝の登校風景…




わっ! どうしようっ 真知子真知子


階段駆け上がる、教室飛び込む、 ゼーゼー



「ね、ね、真知子、これ見てっ? 靴箱に入ってた」


クシャクシャのメモ、広げて渡す、沙織も覗き込む



「え〜っ?! なんこれぇっ?! 靴箱に入れられてたん?」



「 うん、そう↓ 」



「これ、あの三年生だよ、絶対そう」


断定する真知子



「 どうしよぅ〜↓ 」



「やっぱり嫌がらせしてきたね、文治に話したがいいよ」



「でも、まだ誰が書いたか判らないし、もし違ってたら…」



「ん〜 … 卑怯だよね、名前名乗れってね!」



「ね、ね、もしかしてあの人? 部活帰り、野球部待ち伏せしてる人達?」


沙織が訊く



「うん、多分そうだと思う」