海岸通り 〜文治と由以香

「関西出身だからね、こてこての大阪のおばちゃんみたいなもんなんよ」



「 関西? 」



「 うん、神戸 」



「ぇ〜? 由以香も三歳まで神戸にいたよ」



「ほんと? 神戸の何処?」



「全然憶えてない、小さかったから」



「神戸から千葉に引越したん?」



「千葉の前に横浜、横浜はね、よく憶えてる、そこそこ大きくなってるから」



「ぇ? じゃまた転勤も有り得るってこと・」



「ぅぅん、もうないって↑」



「よかったぁ〜♪ 俺、由以香と離れたら生きていけん」



「あはは、大袈裟ね文治」



「大袈裟なんかじゃない、マジで…」



由以香の頭に手のせる

ゆっくり撫でる

由以香の熱が伝わってくる

このまま頭抱き寄せよっかな

ぎゅ〜って抱きしめたい…




「この部屋にあるのは机とテレビとベッドだけね」



妄想の世界に飛びかけた文治に、現実直視、由以香の声



「あはは↑ 色気もへったくれもないって言いたいんだろ?」



「ぅぅん、すっきりしててこういうのもいいねって思った

今度はうちに来て?

お父さんもお母さんも、文治つれてきてって言ってた」