海岸通り 〜文治と由以香

「言ってよぉ〜↓ じゃ、由以香はなに今まで悩んできたの?

文治が恐くて怯えて、隠れるみたいに小学校送ってきたんだよ?」




「ごめん‥‥ごめんな?‥‥」



「 許さん… 」



「許せ… 由以香?…」



電話の向こう、しくしく泣く由以香…


今、目の前にいたら思いっきり抱きしめてやれるのに…

真心こめて謝れるのに…




「ごめんな?…これからは俺、ほんと、由以香のこと大切に大事にしてくから…」


「うん…文治に嫌われてなかったってことがわかっただけでも

由以香はよかった…」




「ずっと大好きだったんだよっ!

転校してきて由以香が教室入って来た時

俺、こいつ絶対嫁さんにしたるって決めてたぐらいなんだからな?」




「あはは、ませガキ文治」




可愛い由以香の泣き笑い…

電話なんか取っ払って
由以香のもとに飛んで行きたい

抱きしめて慰めてやりたい…




「これからよろしくな…

もう遅いし… また明日も電話していい?」




「 うん、もちろん… 」




ほんとはまだまだ電話切りたくない