次の日、私は親友に昨日の事を話した。

「…でね、本当に本当にびっくりしてさ、…でも全然悠里は恋愛対象として考えたことなくて、すきじゃないから断ったんだけど…」



「は…?なにそれ?」



私には自慢の親友もいた。


明るくて、愛嬌のある顔をしていて、私をいつも引っ張って行ってくれる存在。


そんな彼女が昨日の出来事を話すと冷たい声でそういった。


そして言い辛い、と顔に書いてます。といったくらいあからさまに怒った顔で私を見た。


「…私、実はずっと、悠里君が好きだったんだよね。でもさ、悠里君は由真一筋だし、由真も悠里君の事すごく大事にしてて、私、『あー、この2人両思いなんだな』って思ってたんだよ。だから2人が付き合うの秒読みかなって思ってたし、付き合っても応援してあげようと思ってたんだよね…。それ、普通断る?ありえなくて笑えない。あ、もしかして私の気持ち気付いててわざと言ってんの?」


「そんな、そんな事ないよ…?私、本当に好きじゃなくて、恋愛的に見れないって言って断ったんだよ?なんでそんなに葵が怒るの…?私、付き合ったほうが良かったの?」


「…よくそう言うこと言えるよね?信じらんない。好きじゃないから断ったのに私が怒ったら付き合うの?意見コロコロ変えるのやめてくんない?」


「そういう訳じゃないよ…。ただ、悠里と幼馴染でいられて、葵とも親友でいるためには付き合わきゃいけないなら、私は2人が好きだから、付き合うよって事だよ…」


「…私、今まで由真の事誤解してたかも」


「葵…?」


「私、こんなやつと友達ですらいたくない。もう話しかけて来ないで」


花園葵(ハナゾノ アオイ)と親友という関係はこの瞬間無くなった。