曖昧な私に珈琲を。

沙羅からの電話はひっきりなしだ。

出る気力なんてなかった。

ひたすら私は大声で泣いた。

びちょびちょに濡れてきっと哀れだろう。

「…あれ、由真ちゃんじゃない?」

雨が当たらなくなった。

雨が止んだわけではなかった。

一瞬沙羅が私を見つけたのかと思ったけど、そうじゃないのは声で分かった。

顔を上げて驚いたのは話しかけてきた人が予想外の人だったからだと思う。

「…唯さん」

RoseRoseの店員の唯さんが黒い傘をさして真っ黒い瞳で心配そうに私を見ていた。