「定まってない女には魅力がどうしても欠けるわ。あんたは確かに美人で可愛いけど、由真っていう色がない。出会いがないのはあんたの問題ね」
「…なるほどね…」

わかったような、わかってないような…。
でも確かに私は、髪だって長いほうが似合うって言われて長いし、服もおすすめの雑誌を葵から借りて読んで参考にしていた。
素直な方がいいと言われたから素直になろうと心がけたし…葵が怒った時も怒っているから悠里と付き合うべきか迷った。
沙羅の言っている事はズバリだと思った。

「私、どうすれば変われるかな…自分色に」
「一番簡単な方法があるわよ」
「なになに?」
「誰かの色に染まっちゃえばいいのよ」

沙羅の言葉に息を呑みこんだ。

「…そま…る」

まるで暗示をかけられているんじゃないかっていうくらい沙羅を凝視して、ドキドキとした。

「なーに私にドキドキしてんのよ!私はあんたみたいなお子ちゃま興味ないわよ」

ハッとして沙羅を見ると呆れたように笑っていて私もなんだか気が抜けて一緒に笑った。

「まぁ…でも自分色、作れるようになりたい、かも。私、頑張ってみる」
「そうそう!励みなさい!さ、トリートメントみたいから付き合って!」
「はいはい」



自分の中で少しずつ2人と離れて変わっていくような気がした。