なっつんだけじゃなく他のメンバーにも言われたい放題で。
運動音痴なのは自覚してたけど。
まさかここまでとは……。
今日は不調なのかなあ、うーん。
結局後半は後ろでポーっと立ってるだけだった。
そのおかげか一回戦は勝つことができて。
二回戦にコマを進めた。
「次こそ頑張るからね。」
「もうつったってて。」
なっつんは疲れた、と悪態をついて壁に寄りかかった。
次は残りのチームの対戦。
私たちは一回休み。
「ちょっと膝貸して。」
「ほいほい。」
言われるがままに膝を差し出すと。
なっつんは私の膝の上に頭を置いて顔にタオルを乗せてそのまま目を瞑った。
寝る体制だ。
なら私は意志のごとく動かないようにしないと。
ピシッと身体に力を入れて動かないようにする。
「足、力入れないで硬い。」
「ああ、ごめん。」
足の力を抜く。
動かさないようにしないと。
「風、走れ!」



