「え?」
「バスケやってたの?」
「……中学の時。部活で。」
ああ、心臓ドキドキしてる。
ひとつ知ったら、また跳ねた。
どうしようこの気持ち。
私、おかしいかも。
風邪引いたかな?
だって、身体中熱いんだもん。
柴崎くん。
隣の席の、男の子。
柴崎風くん。
目が合わない、人。
よく分からない人。
でも今知った。
バスケ、中学の時にしてた。
目が、紫陽花みたいだった。
黒色なのに、私には紫色に見えた。
へんなの。
そして私も変。
なんか、柴崎くん見たら心臓がおかしい。
そして柴崎くんも。
私の目を見て、赤くなってる。
これは、もしかして。
気になっていた答えは。
次、目が合う時はきっと……。
顔が赤くなる気がした。
そして、柴崎くんに向けられる感情が変化する音がした。



