「あ…あの!」

彼女がこちらに駆け寄ってくる。
「待って…よくわかんないから」

片手を軽くあげて、彼女を止める。
パッとカバンの中から
メガネを取り出してかける。

視界が一瞬ぼやけて
彼女の顔がはっきりと見えた。