文化祭当日は、当初の雨予報が流れて、雲ひとつない快晴だった。
影のない校門で呼び込みをしているとすぐ汗をかく。
「揚げアイス売ってまーす。」
他のクラスや部活の呼び込みに負けじと声をあげる。天候が良く、祝日と被ったことも幸いしてか、例年より人の入りが激しい気がする。

夏日に、アイスが売れるのは当然だった。他のクラスの焼きそばやら、たこやきやらが肩を並べて競い合っているのに対し、俺たちのクラスは圧倒的な差をつけて売り上げを伸ばしていた。

「セイヤのおかげだな。これで一位は貰ったようなもんでしょ。」
一緒に呼び込みをしていた友達に肘で突かれる。突くな、暑い、なんてふざけて避けはするが、そう言われて悪い気はしない。