風呂上がりに、缶飲料を片手に
ベランダに出る。
火照った身体が、外気に冷やされて
心地よい。

「あれー?珍しい。」
「よう。久しぶり。」

声の方に目線を向けると、
幼馴染みの夏帆がいた。
ちょうど夏帆の部屋の出窓から
俺の家のベランダが見える。
夏帆は、バイト帰りだろうか。
まだ制服姿だった。

「高校入ってから、顔合わせること
少なくなったもんな。」
ほんの2年前までは、
同じ公立の中学にいたこともあり
しょっちゅう顔を合わせていた。

「あんた、男子校進んだもんね。」
卒業後、俺は私立男子校に、
夏帆は近くの県立高校に進学した。
通学時間も変わり、
段々会うことも少なくなった。

「どう?男子校って楽しい?」
「まぁ、ボチボチかな。
馬鹿やれて楽しいよ。」