たとえば、君と

ぱっと、目があうと
みるみるうちに
彼女の顔が赤くなる。

照れ屋とは聞いていたが
思っていたよりも、かもしれない。

「す、すみません。
私ばっかり楽しんでしまって…。」

申し訳なさそうに、軽く頭を下げる。
責めたつもりはなかったのだけれど。

「…どうして謝るの?」
「え、だって、私ばっかり。」
彼女はきょとんとして、
慌てて謝罪の理由を述べた。

「僕も楽しいよ?
もっと聞かせて。」
そう言って、もう一度、
今度は彼女の目を見つめて
笑いかけると、彼女も安心したように
口元を緩ませた。