奏〜君に届けたくて〜

くつくつ、と。また校長先生は笑う。


「まあ、いい。でもそこまでひた隠しにするのなら、なぜ君はそういう高校に入らなかったのか。不思議でしょうがないんだよ」

少し、返事に戸惑ったが

「……私の性分に合わないんです。そういう、上っ面だけの"同じ仲間"は」

そう、答えておいた。

「ふうん。そうか。」

それ以上何か聞いてくると思っていたのに、校長先生はそれっきり黙ってしまった。


「面倒くさいね。孤高の天才は」

「お褒めの言葉、どうもありがとうございます」

そう言うと、また校長先生は笑った。

笑顔は相変わらず崩さないまま。