「仮にピアノが奏士に嫉妬したと言うのならば。奏士は琴葉さんに何かしらアタックしたってことだろ?」
おっと。みんなの視線が奏士にぐいっと集まった。
ほらな。こっちの話題の方が面白いに決まってる。
「はぁー?それは違うでしょー由羽。俺はただ琴葉ちゃんが弾いてるのを見て、面白そうだなーって近づいただけだってばー。あーちょっと顔近づけすぎたけどー」
「「「それじゃん」」」
なんだよ。
これじゃあピアノだって恋をする♡説を立証してしまったじゃないか。
ていうか。琴葉さん俯いちゃってるし。
…………耳が真っ赤。
なんだよ。琴葉さん。
凄く、今は人間らしくて、素敵だ。
