「……」
ほら。琴葉さんだって固まっている。
「このピアノは、琴葉ちゃんが調律したんでしょう?その時に、ピアノは琴葉ちゃんを、自分をまた弾けるようにしてくれた恩人であり、唯一心を許せる恋人のような存在だと認めたのよ!」
「で、琴葉さんに馴れ馴れしくした奏士に嫉妬したピアノが奏士に攻撃した、と?あほらし」
「今の状況見たら、誰だって同じこと思うわよ」
「確かに。お前が途方もなく馬鹿で天然だ、とみんなは認識するだろうな」
「なんですって、」
「それはそうと……」
「話を強引にそらさないで。由羽」
……全く。本来はこっちに突っ込むべきであろうに。
